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防水工事の種類と基礎知識 PART5 【アスファルト防水編】

 

 

 

 

 

 

株式会社HIKARUのブログ担当コーキン・グーちゃんです。

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アスファルト防水とは

 

 

 

アスファルト防水の歴史は長く、約110年前から現在まで建物の防水工法として採用され続けています。

 

アスファルト防水は厚みがあり、頑丈な防水層の為、耐久性に優れ長期にわたり安定した防水性を発揮します。

 

そのため信頼性が高いため、高層ビルやマンション、官公庁などの重要構造物などに多く採用されています。

 

 

 

 

 

 

今回はアスファルト防水について解説するPART5の記事になります。

防水工事の基礎知識、ウレタン防水、FRP防水、シート防水につきましてはこちら☟からご覧いただけます。

 

【防水工事の基礎知識】編

【ウレタン防水】編

【FRP防水】編

【シート防水】編

 

アスファルト防水の特徴

 

 

アスファルト防水の材料であるアスファルトは原油から、重油、ガソリン、灯油などを精製した後に残る油のことをいいます。

油は水を弾くため、防水材としても使われるようになりました。

アスファルトは、高温で熱すると液体になり、常温では固体になるのが特徴です。また短時間で固化するのも特徴です。

一度固体・液体になったものでも再び加熱・常温状態にすると元の状態に変化する「可逆性」があります。

 

アスファルト防水はこれらのアスファルトの特徴を生かした防水工法です。

 

 

 

 

 

アスファルト防水は防水性能だけでなく複合的な工法により様々な性能を付与することも可能です。

アスファルト防水の上に保護材を敷くことにより歩行などができるための耐荷重性の向上や、断熱材を積層し、快適な居住空間に必要な機能に合った多様な施工方法が選択できます。

 

 

代表的なアスファルト防水の工法として、高温で液状に溶かしたアスファルトを、アスファルトを染み込せコーティングしたルーフィング類と張り重ねて防水層を形成する工法があります。(熱工法

ルーフィングの種類にはアスファルトルーフィング改質アスファルトルーフィングがあります。

それぞれの特徴としては次のようなものが挙げられます。

 

アスファルトルーフィングとは

ラグ原紙という綿やパルプを原料としたフェルト状のシートにアスファルトを浸透・被覆させ表面全体に珪砂などを付着させたものです。

 

改質アスファルトルーフィングとは

アスファルトに合成ゴムやプラスチックなどを添加し性質を改良したものを改質アスファルトといい、改質アスファルトと合成繊維不織布を浸透・被覆し作られたものを改質アスファルトルーフィングと言います。

アスファルトルーフィングに使われている原料を良い性質に改良したものが使われています。

 

 

 

アスファルト防水には施工方法によってそれぞれ特徴があります。

 

 

 

アスファルト防水の施工方法

 

アスファルトルーフィングの施工方法は熱工法、ルーフィングと塗膜の複合工法、改質アスファルトルーフィングの施工方法には常温工法トーチ工法などがあります。

 

上記で挙げたそれぞれの工法について特徴を解説していきたいと思います。

 

 

熱工法とは

 

 

アスファルトルーフィング類を220~270℃の熱で溶かしたアスファルトコンパウンドで貼付けていき、この工程を数回繰り返すことで防水層を形成する工法です。

一人が柄杓などで床にアスファルトコンパウンドを撒き、もう一人がルーフィングを転がしながら張り進めていきます。

 

不定形材(アスファルトコンパウンド)と、定形材(アスファルトルーフィング類)を使用することで漏水のリスクが低く、施工不良などの人的ミスの影響を起こしにくい為、現在でも信頼性のある工法です。

 

他の防水工法よりも防水層が厚く4~5層に積層するため、万が一表面の一層目が破損してしまった場合でも、下地が露出することがありません。出来上がった防水層は強度があり、耐用年数も長いです。

 

 

熱工法のデメリット

 

 

●火災・火傷の危険性、においや煙の発生

熱工法は火気を使用するため火災のリスクがあることや、独特のにおいや煙の発生してしまうことから、周囲環境への配慮が必要となります。

また作業員の火傷の危険性もあります。

 

●低温に弱い

アスファルトは低温下では、すぐに固まってしまうため施工する際には気温に注意が必要です。

下地の動きに対して追従性が低い為、動きがある建物には向いていません。

 

●他の防水工法と比べて重量がある

アスファルトルーフィングは単体でも重い素材ですが、熱工法では4~5層もルーフィングシートを重ねるため、より重くなり建物への負担が大きくなります。

 

 

熱工法は昔から使われている信頼性のある工法

周辺環境や作業環境に配慮が必要なため、最近では熱工法を採用する工事は減少傾向となっています。

しかし、様々な施工の改善がなされており、溶融釜に火気を使用せず電気で溶かす機械や、あらかじめ溶かしておいたアスファルトコンパウンドを入れる保温コンテナーの導入が行われています。

アスファルトコンパウンドについても低臭・低煙の物が開発され、現場で使われるようになっています。

アスファルト防水熱工法は改善策が講じられるほど現在でも信頼性のある防水工法と言えます。

 

 

 

トーチ工法とは

 

 

 

改質アスファルトルーフィングシートの裏面に施されたアスファルトをトーチバーナーであぶり溶かしながら張り付ける工法です。

トーチバーナーは1,000℃以上の炎を噴射するため、手早くルーフィングを張り付けることが可能です。

熱を使用しているため、下地との密着度が高くなり、常温工法よりも防水効果が高い防水層が出来上がります。

ルーフィングを1枚~2枚積層して形成されることが多く、労力を低減させることができ、優れた防水性もありながら施工性が向上した工法です。

また熱工法と比べると費用も抑えることができます。

 

 

トーチ工法のデメリット

 

●あぶり不足が起こりやすい

デメリットとしては丁寧に行わないと「あぶり不足」が起きてしまうことが挙げられます。

トーチバーナーが高温であるため、溶けているようで十分に溶けていない場合が多く、注意が必要です。

決められた時間トーチバーナーを改質アスファルトルーフィングに当てないと施工不良や雨漏りの発生の原因になります。

 

●火災・火傷の危険性がある

ガスを使用して炎が出ますので、トーチバーナーの取り扱いには注意が必要です。燃え移りやすい物があると、引火や火傷の危険性があります。

 

においと煙が発生する

熱工法と比べると少量ですが、においや煙が発生してしまいます。

 

施工には技術が必要ですが、施工性がアップし、工期短縮ができるだけでなく熱工法と変わらない性能を持った防水層が形成されます。

 

 

 

 

 

常温工法(冷工法)とは

 

常温工法(冷工法)は、火気を使わないアスファルト防水の工法です。火災や火傷の危険性がなく安全に作業ができます。

熱工法の特徴である臭いや煙の発生がない為、周辺環境にも少ない配慮で工事を行うことができます。

常温工法(冷工法)の中でも様々な施工法があります。

 

 

常温状態の液体のアスファルト類(アスファルト系塗膜防水材)を用い、改質アスファルトルーフィング1~2枚交互に積層して張り合わせる工法。

 

粘着層を積層加工した改質アスファルトルーフィング1~2枚をローラーで転圧して貼り合わせる工法。

 

③1層目は粘着層付き改質アスファルトルーフィングを張り、2層目は液状アスファルト類で改質アスファルトルーフィングを張り重ねる工法。

 

常温工法でできる防水層は耐久性や防水性も負けず劣らず優れています。

 

 

常温工法のデメリット

 

粘着層付き改質アスファルトルーフィングシート防水工法のデメリット

 

●転圧不足

十分にローラーで転圧しないと接着不足で剥がれてしまう場合があります。

粘着力がある分、歪んでしまったり、下地とルーフィングの間に空気が入ってしまう場合がありますので専門的な職人の技術が必要です。

 

改質アスファルトルーフィングをアスファルト系塗膜防水材で張る工法のデメリット

 

●低温に弱い

気温が下がるなど低温で粘度が増してしまいますので、取り扱いが難しくなります。

低温のまま作業を行うと施工不良も起きやすいので注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

アスファルト防水の耐用年数

 

 

防水の種類 耐用年数
アスファルト防水 15年~25年
ウレタン塗膜防水

8~15年

 

シート防水

 

 

10年~15年

 

 

 

アスファルト防水の耐用年数は15年~25年と他のシート防水や塗膜防水と比べて長いです。

そのため高層ビルなどに使われることが多いです。

 

 

 

定期的なメンテナンスで、大きな劣化が起きずに耐用年数を延長することができます。

10年程度で一度改修を行うことでランニングコストを節約することができます。

新築時から10年以上経過している場合には専門業者に依頼し点検してもらうと良いでしょう。

 

 

 

アスファルト防水の劣化症状

 

 

 

膨れ

 

ひび割れ

 

剥がれ・浮き

 

排水口廻りの劣化

 

植物の繁殖 など

 

 

アスファルト防水の改修方法

 

 

アスファルト防水が劣化している場合、基本的には既存防水層を撤去せず、新たな防水を上から重ねて改修を行う「かぶせ工法」で改修を行うことが多いです。

 

かぶせ工法とは

既存の防水層の劣化箇所を部分的に撤去し、部分的な下地調整をしてから新規防水層を設けていく方法で、既存の防水層を残すために上から防水層をかぶせるため「かぶせ工法」と呼ばれています。

 

熱工法で改修で行う場合、アスファルトは重量があるため、かぶせ工法を行うと建物に負荷がかかることが考えられます。

建物の耐震性に影響が出てしまいますので、そういった場合には他の防水工法を注意して選定する必要があります。

 

 

かぶせ工法のメリット

 

◎撤去費用の削減

既存のアスファルト防水を撤去せずに改修ができるため、撤去の費用や工期の削減が可能です。廃材が出ないため少ない産廃処分費で負担が軽減ができます。

 

◎人員、工期の削減

アスファルト防水の撤去作業は時間と人手のかかる作業です。

かぶせ工法は部分的な撤去作業で済むため人員と工期の削減ができます。

 

 

◎撤去作業での騒音や振動を発生させない

撤去作業は専用の機械を使い防水層に亀裂を入れてから剥がしていきますので、騒音や振動が発生しますが、かぶせ工法は少しの発生で終わらせることができます。

 

◎既存の防水層を残すため2重の防水効果や耐久性が得られる

かぶせ工法で改修を行う場合には新規防水層の性能と既存の防水層の防水性や耐久性が合わさるので高い防水効果が期待できます。

また作業中に雨が降ってきても、防水層を撤去していないので下地が濡れ雨漏りが起こる心配もありません。

 

 

 

かぶせ工法のデメリット

かぶせ工法は撤去しない分費用の負担は少ないですが、防水材の選択肢は少なくなります。材料の選定には注意が必要です。

間違った防水材を使用すると、改修工事をする前より状態がひどくなってしまう場合があります。

 

注意が必要なかぶせ工法での防水材

 

●ウレタン塗膜防水・・・溶剤系の防水材なので、アスファルトを溶かしてしまう可能性があります。塗膜防水層の表面にアスファルトの成分が黒く浮き出てきます。

 

●セメント系塗膜防水・・・セメント系塗膜防水材がアスファルトの成分を吸収してしまい、早期に劣化して表面が黒くなったりひび割れが生じます。

 

既存防水層の上に新しい防水層を施工することから下地処理を適切に行うことが必要です。

上記の事例は一例ですので、専門的な知識を持った業者に依頼をしなければなりません。

 

 

既存のアスファルト防水層を撤去する場合

 

アスファルト防水の撤去が必要な場合には次のようなことが挙げられます。

 

●既存の防水層の内側に雨水が侵入している、防水層全体に水が回っているなど

防水層の膨れが広範囲にわたり見られる場合や、防水材の下の断熱材が大きく変形したりしているのが目視できる場合など、防水層の内部に水が回ってしまって起こる劣化が見られる場合には撤去が必要になってきます。

 

●何度もかぶせ工法を行っていたりする場合や、建物の耐震性に問題がある場合

耐震性の問題で設計時以上の重量がかかる場合にはかぶせ工法はできません。

基本的にかぶせ工法での改修は1~2回までとされています。何度もかぶせ工法を行うことはできません。

該当する場合は既存の防水層を撤去し、新規にアスファルト防水を施すか、塗膜防水やシート防水等別の方法で防水層を施します。

 

アスファルト防水の改修は専門的な知識と検査が必要です。

将来また訪れるメンテナンス時期に無理なくできる改修工法を考えてかぶせ工法や撤去工法のどちらが良いか選ばなくてはなりません。

 

 

 

 

アスファルト防水のまとめ

 

アスファルト防水は100年以上の歴史があり、信頼があります。

他の防水工事とは違い、アスファルト防水はルーフィングを複数枚重ねて施工できるので非常に高い耐久性があります。現在でも多くの建物に使われている優れた防水材です。

 

熱工法やトーチ工法は職人さん手軽にできる防水ではないので、どういうものか知らない人も多い方と思います。住宅のバルコニーや屋上などにも、改質アスファルトシート防水やアスファルト系塗膜防水が使われているかもしれません。

この記事を読んで少しでもアスファルト防水について知って頂けたらうれしいです。

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