• sbanner01

防水工事の種類と基礎知識 PART3 【FRP防水】編

 

 
 
 
 
 
 
 

 

この記事を書いた人

HIKARUのブログ担当 コーキン・グーちゃんです。

防水工事についてまだまだ勉強中ですが、わかりやすく書けるように頑張ります。

 

 お問い合わせはメールかお電話で!お気軽にご相談ください。 

平日 8:00~16:00

☎ 0270-61-5244 

電話対応可能時間(営業時間)

群馬県を中心に栃木県、埼玉県、東京都など、関東全域対応

メールフォームは24時間受付中

 

 

今回はFRP防水について解説していくPART3の記事になります。

防水工事の基礎知識についてはPART1、ウレタン防水についてはPART2で解説しております。

 

防水工事の種類と基礎知識について詳しくはこちら

ウレタン防水についてはこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の内容:【FRP防水】とは

 

FRP系塗膜防水とはFRP防水と呼ばれ、塗膜防水としてウレタン防水と同じくらいポピュラーな防水です。

FRPとはFiber Reinforced Plastic=繊維強化プラスチックの略称です。

液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。

下地への密着性が高く防水性能と共に耐摩耗性に優れ露出仕上げでも表面の歩行が可能とされています。

現在では、住宅のバルコニーにFRP防水を採用することが主流と言えるほど多くの住宅に使われています。

 

 

 

FRP防水の耐用年数・費用・工期の目安

 

FRP防水の耐用年数 15年~20年
FRP防水工事の費用 4,000円~9,000円/㎡
FRP防水の工期 1~3日
FRP防水トップコートの塗り替え 5年

 

FRP防水は耐久性に優れ15年~20年程度維持できるといわれています。工事費は比較的高くガラスマットの積層数塗料のグレード施工面積によってかかる費用に差があります。

工期は短くベランダなどの狭い所では1~2日で終わることが多いです。

広い面積に施す場合や、下地処理を1日かけてやる場合にはその分日数が増えることが考えられます。

耐久性を維持するためにはトップコートの定期的な塗り替えが必要です。FRP防水についても5年を目安にトップコートの塗り替えを行うことが推奨されています。

 

 

FRP防水工法の種類

 

1PLY工法(ガラス繊維マット1層)、2PLY工法(ガラス繊維マット2層)、3PLY工法(ガラス繊維マット3層)

ガラス繊維マットの積層枚数を○PLYと表します。1枚であっても手抜きというわけでなく、マットの密度にも種類があり、1枚の場合は密度が高いマットを使うことが多いです。

ガラス繊維マットの種類は#380、#450と記載され、#450の方が密度が高く、厚くて重いため、強度が必要な場合に選ばれます。

どちらのガラス繊維マットを使うにしてもFRP防水の施工性はそれほど変わりはありませんので、費用がかかっても強度を出したい場合には厚い方や、2PLYなどにすると良いでしょう。

施工店によって標準採用している施工法やマットの厚みにも違いがありますので確認すると良いでしょう。

 

 

FRP防水のメリットデメリット

 

FRP防水にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

 

 

FRP防水のメリット

軽量

防水層が硬く耐久性に優れている(15年~20年程度)

水を溜めて使う場所にも使われているほど他へ水を漏らさない性能に優れている

塗膜防水でありながら歩行が可能(場合によりガラスマットによる補強を2層にすることがあります)

繋ぎ目がなくシームレスな仕上がりになる

工期短縮、1日で完了できる

 

FRP防水は軽量でありながらも、屋上駐車場にも使われるほど強靭な防水層が形成されます。

またバスタブや貯水槽、プール、ヨットや小型船舶の船体などにも使われているため、水を漏らさない、中に侵入させないといった性能もあります。耐用年数も15~20年程度と長く建物を水から守ることにおいても非常に優れた防水性を持っています。

また塗膜防水でありながらも露出仕上げでの歩行が可能でベランダやバルコニーにも幅広く使われています。

 

 

FRP防水のデメリット

×主成分である不飽和ポリエステル樹脂は紫外線に弱い(トップコート塗布が必要)

×他の塗料と比べ硬く弾力性がないため、地震のような大きな揺れで起こる下地の動きには追従せず割れてしまうことがある

×作業が天候の影響を受けやすい

×比較的値段が高い

 

FRP防水のデメリットとしてあげられるのは、トップコートなしでは、FRP防水自体が紫外線に弱い事です。

トップコート表面に細かなひび割れが見られることがよくあります。

ガラス繊維などでできた防水層はとても硬く柔軟性が無いため下地の動きには追従できません。

周辺環境や構造により、建物の動きが頻繁に起こる場合(地震が多い、大型車両の通行が多い通りに面している、古い木造住宅など)は他の防水工法の方が良い場合があります。

 

 

FRP防水が使われている場所

バルコニー・ベランダ、一般屋上、屋上駐車場、屋上緑化、工場床、浴室、厨房等、温泉施設、下水道、各種水槽、プール

 

 

 

 

 

FRP防水の劣化症状と原因

 

FRP防水の劣化:トップコートの表面のチョーキング現象・ひび割れ

FRP防水のチョーキング現象やトップコート表面の細かなひび割れは、経年劣化や摩耗によるものです。

紫外線や雨、人の出入りによって劣化しチョーキング現象やひび割れが起こってしまいます。

チョーキング現象とは、白亜化ともいい、色褪せが起きたり表面を手で触ると白い粉が付くといった症状が起こる現象です。

トップコートに含まれている成分が紫外線に分解され表面に粉状に浮き出てしまう現象ですので、見た目に問題が無くても劣化が進行している状態と言えます。

表面だけの色褪せやひび割れであるからと言って放置することはせず、5年を目安にトップコートの塗り替えを行いましょう。

 

 

FRP防水層の膨れ

防水層の膨れが見られる場合、施工時に水分が残っていたり、プライマー不足であったり転圧不足により気泡が抜けきっていなかったりなど施工不良も考えられます。

またトップコートの劣化が原因で、層の間に水分や湿気が侵入してしまったことが考えられます。

放置すると膨れが破け、ガラスマットが露出し、紫外線により防水層が劣化してしまうかもしれません。

 

ガラスマットが見えている状態、FRP防水自体のひび割れや剥がれ

FRP防水のひび割れには2種類あり、トップコートの表面のみがひび割れている状態とFRP防水自体がひび割れている状態です。

ガラスマットが見えている状態はトップコートのひび割れや剥がれを放置したことが原因です。

トップコートが剥がれただけでは雨漏りは心配はあまりありませんが、下階や軒天などに雨漏りが起こっている場合にはFRP防水層が劣化していると考えられます。

雨漏りがひどい状態ですと下地の張り替えなどを行わなければなりません。早めに専門業者に相談しましょう。

 

 

FRP防水の注意点

 

木造住宅の動きに追従できない場合がある

木造建築の場合、気温の変化や強風、地震などが原因で建物が大きく揺れたりしやすいです。

FRPのデメリットでも記載したとおり、木造住宅のベランダやバルコニーなどにFRP防水を施すと、FRP防水の硬さゆえに、動きに対して追従できず、破損してしまう可能性があります。

一般的な広さの住宅バルコニーでは破損する可能性は低いですが、面積が大きくなるほどその可能性は高まりますので注意が必要です。

木造住宅にFRP防水を採用する場合は防水性と耐久性は高性能ですが、地震によって大きなひび割れが起こる可能性があることも知っておきましょう。

(技術者向けに「木造住宅バルコニーFRP防水施工標準仕様書」がFRP防水材工業会より発刊されています。)

 

 

 

 

FRP防水のガラスマット部分補修の様子

ガラスマットはポリエステル樹脂などを含侵することで下地が透けて見えます。

写真のグレーの部分はトップコートで紫外線から防水層を守るために塗布が必要です。(トップコートだけでは防水性能はありません)

下地が見えていると思ってもガラスマットが見えているだけであって雨漏りの心配はないことが多いです。

 

 

 

 

ウレタン系塗膜防水とFRP防水を比較

 

塗膜防水として一般的に主流である、ウレタン防水とFRP防水を比較してみました。

 

ウレタン防水

FRP防水

防水層の性質 弾力性・柔軟性がある

防水層の性質

非常に硬い
歩行できるか 歩行用トップコート・歩行仕上げ工法や長尺シートによる防水層の保護により軽歩行が可能 歩行できるか

軽歩行~一般歩行まで可能

滑りやすいためノンスリップ仕様のトップコートが必要

デザイン性

継ぎ目ができない(シームレス) デザイン性 継ぎ目ができない(シームレス)
カラーバリエーション 10色程度 カラーバリエーション 5色程度
費用 3,000~8,500円/㎡ 費用 4,000~9,000円/㎡
工期 3~10日 工期 1~3日
耐用年数 8~10年 耐用年数 15~20年
トップコートの塗り替え周期 5年 トップコートの塗り替え周期 5年

 

 

表からわかる通り、つなぎ目の無い防水層である事は共通して言えます。

耐久性、費用、工期など違いがあり、FRP防水は費用が高い分ウレタン防水よりも耐用年数がわかります。

耐久性にとても優れているFRP防水は初期費用は高くなりますが、不具合が起きにくい為メンテナンスコストを抑えることができます。

 

 

まとめ

FRP防水は硬く強靭な防水層の為、耐久性に優れており、様々な建物に取り入れられています。

トップコートの定期的なメンテナンスで、防水層の劣化を防ぐことができます。

建物の動きがある木造住宅の広いバルコニーや屋上にはFRP防水は硬すぎるため、ひび割れが起きやすく向いていないのが注意点です。

費用も比較的高価なため、他の防水も参考にいてみると良いでしょう。

この2つを除いてはとても優れた防水ですので、より高い耐久性や防水性を求める方にはぴったりの防水です。

 

株式会社 HIKARUではFRP防水の工事のご相談もお待ちしております。

気になる事がございましたらお気軽にご相談ください!

 

 

 

 お問い合わせはメールかお電話で!お気軽にご相談ください。 

平日 8:00~16:00

☎ 0270-61-5244 

電話対応可能時間(営業時間)

群馬県を中心に栃木県、埼玉県、東京都など、関東全域対応

メールフォームは24時間受付中